PAST EXHIBITION
Alex Kanevsky
The Battle of Shahbarghan
2024.4.6 (Sat) - 5.24 (Fri)
*会期を延長いたします。
アレックス・カネフスキー「The Battle of Shahbarghan」は、ご好評につき会期を5/24まで延長することといたしました。皆様この機会に是非作品をご高覧くださいませ。
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104GALERIE(東京・中目黒)は2024年4月6日(土)~5月11日(土)の会期でアレックス・カネフスキー(1963年生まれ、タムワース/ニューハンプシャー、US)の個展「The Battle of Shahbarghan」を開催いたします。
カネフスキーは2022年に104GALERIEが主催したグループ展で初めてご紹介いたしました。この度の日本初個展では最新作のペインティング10点を展覧いたします。
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コロナウィルスが流行していた頃、人と会うことは全くできませんでした。しかしそれは私にとってそんなに難しいことではありません。私がいるニューハンプシャーの山あいの地域は田舎で、人はそんなにたくさんいないのです。森や、湖や、山だけ。
家から出たくなり、次のプロジェクトは屋外で、人のいないところでやろうと思いました。それで家の近くの山の絵を描き始めたのです。野外で、大きな、何か勇壮なスケールの絵を描きたかった。人間より大きなもので、私もこの絵を観る人もみんな包み込むような絵を。あなたの周りにあり内側から体感するような風景です。私は道具を積んで、車で山の麓にある野原に向かいました。ここではしばしば突風が吹き荒れます。絵が風で飛ばされないように、大きなキャンバスと重たいイーゼルを荷車にベルトで括り付けて制作することにしました。
私は一日中野原で過ごし、山を眺め、絵を描き進めます。奥行きも、光も、色も刻々と変化していきました。その頃の私の生活にはいろいろなことが起こっていました。良いことも、悪いことも。この世界の全て、私の人生の全て、そしてこの山を囲む風景、何もかもが流動的なもののように感じていました。ただ山は私がここに来る前と何も変わっていませんでしたし、私がいなくなっても同じようにあり続けるのでしょう。だんだん私は山が宇宙の(少なくとも私の宇宙の)中心のように感じ始めました。いわば全てがそのまわりを周っている不動の軸です。それで、絵描きが普通ならするであろう「瞬間を捉え」ようとするのではなく、一瞬いっしゅんのことがまったく関係のない何かを眺めることにしたのです。それは非常に静かで穏やかな時間でした。
この展示でお見せする3枚の山の絵はそのようにしてできました。他の絵もそれぞれのストーリーがあります。
私は会話を退屈にするような事柄こそが絵を面白くするのだと心から思っています。人が言葉で表現できるようなことは絵の中では何も成しません。むしろ私が絵という存在で一番愛しているのは、言葉で説明できない何かなのです。
そう言ってしまうとアート・ステートメントを書くのが難しくなりますね。私が説明することができるのは、この絵がどのようにして作られたかという成り行きです。私にとってはこれらの絵はシンプルです。物語を語るわけでもないし、哲学や政治的思想を反映するわけでもない。私は今、自分がどのように山の絵を描いたかを語りました。何が描いてあるのかは、見ることでしか受け取ることができないのです。
– アレックス・カネフスキー
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展覧会名『The Battle of Shahbarghan -シャバーガンの戦い』とは1646年にインド、ムガール地方で起こったとされる、あまり知られていない戦いです。その様子を伝える小さな美しいムガールの絵画が現在メトロポリタン美術館に残されています。 『人は皆、他人には分からない戦いのさなかにいる(Everyone we meet is fighting a battle unknown to us.)』 という格言について、カネフスキーは私たちのありようをよく表していると言います。本展を構成する10点の作品は互いに関連性がなく、描かれている主題も異なります。それぞれに、外からは分かり得ない紆余曲折や苦しみが内包されているのです。
今回の展示には、シャバーガンの戦いを伝えるムガールの絵画を下敷きにしている作品もあります。
カネフスキーの作品は、メトロポリタン美術館にひっそりと置かれるムガールの小さな絵のように、作品の背景やストーリーそのものよりも遥かに魅力的なものになっているでしょう。
カネフスキーの最新作が揃う本展を是非皆さまにご高覧いただけますと幸いです。
また、4 月5 日(金)19:00 よりアーティストを囲みオープニング・レセプションを開催いたします。どなたでもお越しいただけますので皆様お誘い合わせの上お越しください。
Video
installation view
OUTLINE
アレックス・カネフスキー | |
会期 | 2024年4月6日(土) – 5月11日(土) |
営業時間 | 11:00-17:00 |
休廊日 | 日曜・祝日 |
会場 | 104GALERIE |
profile
アレックスカネフスキーは、1963年ロシア生まれ。1983年にはアメリカ・フィラデルフィアに移住し、1989年よりペンシルベニア美術アカデミー(ペンシルベニア・US)でペインティングを学びました。2002年から2017年同校の非常勤講師として学生を指導したり、ウッドミア美術館の公募展の審査員を務めたりと、地域のアートに関する啓蒙・教育にも携わっていました。カネフスキーの作品は、ウッドミア美術館(ペンシルバニア・US)や、サンフランシスコ美術館を構成するリージョンズ・オブ・オーナー美術館(サンフランシスコ・US)などにコレクションされています。
selected solo exhibitions
2023 | Last Days Before Bright Future, Dolby Chadwick Gallery |
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2022 | Postcards from a Closet, Hollis Taggart, New York |
2020 | Scrambling for Grace, Dolby Chadwick Gallery, San Francisco |
2019 | Liberation and Disorientation, Hollis Taggart, New York |
2018 | L’etat Des Limbes, Galerie Guido Romero Pierini, Paris |
2017 | Some Paintings In No Particular Order, Hollis Taggart Galleries, New York |
2016 | Unstable Equilibrium, Foster Gallery, Louisiana State University, Baton Rouge, LA |