PAST EXHIBITION

Teodora Axente

The Body as a Coat of Shadow and the Coat as a Body of Light

2023.11.4 (Sat) - 12.1 (Fri)

104GALERIE(東京・中目黒)は2023年11月4日(土)~12月1日(金)の会期で、テオドラ・アクセンテによる個展「The Body as a Coat of Shadow and the Coat as a Body of Light」を開催いたします。前回の個展からおよそ2年ぶり、2回目となる本展では、10点の新作を展覧いたします。

アクセンテの作品の主題は、精神的儀式の要素の探求から作られます。内なる自身や、方法、参照元、そして実践を重ねて新しいアイデンティティを見つけるのです。
彼女は、人は常にある状態から別の状態に変化し続け、その過程は奥深く秘密めいているものだと捉えています。絵画の中では、登場人物の衣服やそこに置かれた物を使ってシュールに作られた構図によって、その「個人の変化」が強調されています。

「私は想像力と直感を働かせて新たなフォルムの衣服を作り出し、意味を見出し、役割を与えます。例えばコートは単に人の体を覆うものというだけではありません。救いようがなく、この世の一部となっている体そのものなのです。ミケランジェロの「最後の審判」の中に見られる細部の捉え方には非常に感動しました。聖人の集まりの中から1人の聖人が自らの体の皮膚をもち、まるで彼が自分自身の体から離別してしまったかのように、その手からぶら下げていました。その様子は、苦しみを通じてなされる自己否定のようで、自らの救済のために体は苦しみ、痛みや変化に耐え、それでいてなお身体は儚い物質として留まるのです。 体とは内、外どちらにも起こる変質を表象するコートなのです」

近年アクセンテの作品でしばしば見られる身体の一部が獣になっている作品(“The White Satin Sin”, “The Eye in the shadow” , “Bright Face)は、常に高みを目指す人間の精神性と、野生的な欲深さや本能を表しています。誰しもが持っているこの動物的な面は、身体的で弱く、過ちを起こしやすい部分を通じて可視化されています。
作品は聖書の文章やギリシャ正教会の象徴的絵図などから影響を受けており、魚や百合、鋏など、聖書に言及する要素が多く見られます。それらはアーティスト自身のアイデンティティの一部とも言えるかも知れません。そのようなモチーフも相まって一見するとクラシカルな絵画ですが、彼女独特の表現によって現代的に昇華されていることが分かります。
個人それぞれの生き方や変化の過程を鮮やかに浮かび上がらせる、テオドラ・アクセンテの深い想像力こそが、その表現の源であり芸術なのです。

11月4日(土)16:00より アーティストを囲みオープニングレセプションを行います。 皆様に是非作品をご高覧いただけますと幸いです。

OUTLINE

テオドラ・アクセンテ
「The Body as a Coat of Shadow and the Coat as a Body of Light」

会期

2023年11月4日(土)ー12月1日(金)

オープニングレセプション
11月4日(土) 16:00-19:00

営業時間

11:00-17:00

休廊日

日曜・祝日

会場

104GALERIE
東京都目黒区青葉台1-20-4 FORCEビルB1F

PROFILE

Teodora Axente( テオドラ・アクセンテ)は1984 年、ルーマニアのシビウ出身。2004年にクルージュ芸術大学(ルーマニア)で博士過程を修了し、現在はクルージュ= ナポカを拠点として活動するアーティスト。2011 年、エッセル美術館(ウィーン/ オーストリア)にてエッセルアワードの受賞者のひとりとして作品展示。2015 年、ボルダー現代美術館( コロラド州/ 米国)、クルージュ美術館(クルージュ=ナポカ/ ルーマニア)、アートセンター・Hugo Voeten(ヘーレンタルス/ ベルギー)にて作品を展示。2016年5月にはHugo Voetenで個展が開かれた。また2017年にはフリシラス博物館の第3回フリシラス賞を受賞。2018年にクルージュ美術館にて、2019年フリシラス美術館( ギリシャ/ アテネ) にて個展を開催するなど、国際的に活動している。

Solo Exhibitions

2022

Vertical body mirrors, gallery rosenfeld, ロンドン(イギリス)

2021

Listen How the Horns are Growing, 104GALERIE, 東京

2019

Symmetries of the Oneiric, rosenfeld porcini, ロンドン(イギリス)

2018

The Silk Eye, Galerie Dukan, パリ(フランス)
The Space for a Letter, Museum of Art – Cluj, クルジュ=ナポカ(ルーマニア)

2017

The Presence of The Absence, Doris Ghetta Gallery, オルティゼーィ(イタリア)

2016

Cold Lining. Removing the Garb in Mystery, Ana Cristea Gallery,ニューヨーク(アメリカ)
The Noise of Silence, The Art Center Hugo Voeten, アントワープ(ベルギー)

2015

Dipping Into Matter, Galleria Doris Ghetta, ボルツァーノ(イタリア)

Nauz, Performance Transart, Galleria Doris Ghetta, オルティゼーィ(イタリア)

Selected Group Exhibitions

2022

Teodora Axente, Robert Bosisio, Donata Wenders, Group Exhibition, 104GALERIE, 東京

2021

Inspirations from the ancients, rosenfeld porcini, ロンドン(イギリス)
Painting the figure, rosenfeld porcini, ロンドン(イギリス)
Contemplating the Spiritual in Contemporary Art, rosenfeld porcini, ロンドン(イギリス)

2017

3D FRISSIRAS AWARD FOR EUROPEAN PAINTING 2017, Frissiras Museum, アテネ(ギリシャ)
New Horizons of Painting part one: The identities of others, Frissiras Museum, アテネ(ギリシャ)
L’echo Des Murmures, Galerie Valerie Delaunay,パリ(フランス)
The Figure In Contemporary Art, rosenfeld porcini, ロンドン(イギリス)

Installation View

Press Release

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