UPCOMING EXHIBITION

Teodora Axente, Vittorio Marella, Robert Bosisio

Dialogue with a Suspended Moment in Light

2024.12.14 (Sat) - 2025.1.31 (Fri)

104GALERIE(東京・中目黒)は2024年12月14日(土)よりグループ展「Dialogue with a Suspended Moment in Light(光のなかで浮遊する瞬間との会話)」を開催いたします。

この度のグループ展は、当ギャラリーを代表する作家、ロバート・ボシシオがキュレーションを手がけるという初の試みとなります。本展ではロバート・ボシシオ自身の新作に加え、これまで104GALERIEで3度個展を開催しているルーマニア出身のアーティストのテオドラ・アクセンテ、そして日本で初めてご紹介するイタリアの作家、ヴィトリオ・マレッラの作品を合わせて11点展示いたします。それぞれ自らの国の美術の伝統から影響を受けながら、長年にわたり深い親交を結んできた3名の対話を感じ取ることができる作品展示となっています。

本展「Dialogue with a Suspended Moment in Light」を企画したロバート・ボシシオによる解説:
テオドラ・アクセンテ、ヴィトリオ・マレッラ、そして私は、それぞれの国で先人たちが積み重ねてきた絵画の伝統、文化からインスピレーションを得ています。テオドラの作風にはビザンチン文化の影響が見られますが、ヴィットリオと私は、初期ルネサンスからモランディ、カーラ、デ・キリコ、カゾラティなどの作品に至るイタリア絵画の流れを受け継いでいます。
作品の中で、私たちは3人とも人物像を描いていますが、アプローチはそれぞれ異なります。

テオドラは、特徴的な造形や要素を組み合わせ、複雑な構成を作り出しています。

テオドラ・アクセンテによるコメント:
「私がつくる絵の枠組みは、‘もうひとつの世界’、つまり非現実的で、夢に近い世界を提示しています。絵の要素ひとつひとつは私たちの現実ですぐに何かわかるものばかりですが、違う次元に連れて行かれているのです。
私の絵画はそのような終わらない夢であると同時に、現実の世界の常識を変え、打ち破ろうとする願望でもあります。
私にとってペインティングとはものごとのあり方、感情、言語です。つまり私の内側から生まれ、外側の色彩を通じて形づくられる表現のことです。」

テオドラとは対照的に、ヴィトリオは生まれ故郷であるヴェネチアの風景や自然を背景に実在の人物を描いています。彼の絵は非常に写実的で、明暗がはっきりとした光を使って対象を捉えています。

ヴィトリオ・マレッラによるコメント:
「自然、そして自然との関係性は私の作品の重要なポイントです。私たち人類が進化を遂げるにつれ、自然との結びつきは弱くなっていきました。その行末は悲惨なものですが、そのひとつには自己意識がどんどん無くなっていくということも挙げられます。私は自分のキャンバスを使って、内省のための空間、あるいは呼吸する場を作れたらと願っているのです。私の絵が明快でありながら謎めいて見えるのは、常に登場人物の表情が隠されているからです。そして絵の厚みのある質感は、私がいる環境にある砂、木、岩とった自然環境の要素にインスパイアされたものです。」

ヴィトリオのペインティングで表わされているのは具体的な人物ですが、私は人物がはっきり見えないという、彼とは異なるアプローチをとっています。個人のアイデンティティを描写するということにはそれほど重きを置いていませんが、存在の本質やオーラを探求することを大事にしているのです。私が描く室内空間に人はいません。しかし人が暮らしている場所に足を踏み入れたという雰囲気を感じてもらいたいと思っています。一番新しいインテリア・シリーズでは形而上学的な絵画に大きなインスピレーションを受けました。

私たちはみな、自分が思い描くことをそれぞれ異なるやり方で表現しています。また自らのルーツと深い関わりを持ち続けていますが、ペインティングという言語を通じて作り出される空気は国境を越え、私たちを一つに結びつけるのです。

Profile

テオドラ・アクセンテは1984 年、ルーマニアのシビウ出身。2004年にクルージュ芸術大学(ルーマニア)で博士過程を修了し、現在はクルージュ= ナポカを拠点として活動するアーティスト。2011 年、エッセル美術館(ウィーン/ オーストリア)にてエッセルアワードの受賞者のひとりとして作品展示。2015 年、ボルダー現代美術館( コロラド州/ 米国)、クルージュ美術館(クルージュ=ナポカ/ ルーマニア)、アートセンター・Hugo Voeten(ヘーレンタルス/ ベルギー)にて作品を展示。2016年5月にはHugo Voetenで個展が開かれた。また2017年にはフリシラス博物館の第3回フリシラス賞を受賞。2018年にクルージュ美術館にて、2019年フリシラス美術館( ギリシャ/ アテネ) にて個展を開催するなど、国際的に活動している。

ヴィットリオ・マレッラは1997年、イタリア・ベネツィア生まれ。現在はロンドンとヴェネツィアを拠点に活動。天体物理学を高校で学んだ後、完全にアーティストとしてペインティングに専念する。主な展示に、2019年、グループ展 「Lang Leve Rembrandt (アムステルダム国立美術館, オランダ)、2024年には個展「Nuotatori d’inverno」(パラッツォメルラーナ美術館、イタリア)」がある。また今年2024年のヴェネツィアビエンナーレでは、ヴェネツィアのパビリオンにて作品を展示。若手作家として精力的にヨーロッパを中心に活動の幅を広げ、高い評価を得ている。

ロバート・ボシシオは1963年、イタリア北部トローデナ生まれ。ウィーン美術アカデミー(The Academy of Fine Arts Vienna)を卒業後、ベルリン、ニューヨーク、ロンドンで活動。現在は故郷トローデナを拠点に制作を続ける。これまでに、アートセンターHugo Voeten(ベルギー/2014年)、国立美術館MUZEUL DE ARTA(ルーマニア/2010年)の他、オーストリア・ドイツ・スイス・アメリカなどで個展を開催。2011年にはベネチアのLa Fenice賞を受賞し、同年ベネチア・ビエンナーレのイタリアンパビリオンで作品を展示。また2020年、BP Portrait Award 2020のファイナリストに選ばれるなど、世界的に活躍している。

Outline

展示名

「Dialogue with a Suspended Moment in Light(光のなかで浮遊する瞬間との会話)」
テオドラ・アクセンテ、ヴィトリオ・マレッラ、ロバート・ボシシオ

会期

2024年12月14日(土) – 2025年1月31日(金)

オープニング・レセプション

2024年12月13日(金) 18:00~20:00
*ヴィトリオ・マレッラ在廊

営業時間

11:00 – 17:00

休廊日

日曜・祝日、年末年始休業日 (2024/12/28~2025/1/7)

会場

104GALERIE
東京都目黒区青葉台1-20-4 FORCE ビルB1F

お問い合わせ先

info@104galerie.com