UPCOMING EXHIBITION

Pius Fox

Cover and Recover

2024.10.26 (Sat) - 11.30 (Sat)

*本展は日・火・祝日、11/3(日)-6(水) 休廊となります。お間違えのないようご注意ください。

104GALERIEは2024年10月26日(土)よりピウス・フォックスの個展「Cover and Recover」を開催いたします。
ピウス・フォックスの約2年ぶり3度目の個展となる本展では、パステル画を中心とした小作品、また過去の展示から継続してご紹介するアルミニウムマウントのペインティング、そしてキャンバス作品約30点の新作を展示いたします。

フォックスの幾何学的に構築された表現は、実在するもののかたちや仕組みに基づいています。しかしそれは単に視覚的な情報にとどまらず、彼自身の思考を通すことによって、物語を連想させるイメージを生み出しています。作品は、絵具の層を塗り重ねたのち、引っ掻いたり削ったりすることで現れる複雑なレイヤーでできており、興味深い奥行きを創造しています。
本展で中心となる抽象的な印象の作品の合間には、鳥のモチーフや石膏像、建築物などの具象作品が差し込まれるように置かれ、それらからもフォックスの作品の対象物や主題への視点や考察が感じられます。

本展のCover and Recoverについてアーティストより:
タイトルは「cover」と「recover」という言葉をさまざまな角度から考察してつけました。「cover (カバー)」は音楽ではよく聞く用語で、他者のものを使って自分自身を表現できるのか、という試みのことです。すでにあるものを枠組みとして使うことで、自分にとって必要な要素のみに集中することができる。これを絵画に置き換えると、美術史で語られるような手法になるわけですが、しばしば音楽よりもネガティブな意味合いが強くなります。
また、Coverという言葉には「覆う」という意味があります。絵の具は常に、白や、地の色を覆うものです – 不透明な時もあればクリアな色もあり、一面塗りつぶしたり部分的に塗ったりもします。私のアート制作過程においてこれは重要な点です。層の下にある色は何か、色で覆われて見えなくなった、あるいは類推でしかわからないものは何か?ある特定の色、そして色にまつわる文脈において、他の色をどの程度覆う必要があるのでしょう。
美術史においてカーテンや垂れ幕といったモチーフは、この問いに近いものがあると思います。絵の中で布が何かをカバーしたり隠したりしていて、観るものにとってはそこに隠されたものが何であるのかを探るところからゲームが始まるのです。
そして「recover (リカバー)」という言葉が「cover」に新たな層を生み出します。包まれて暖まり、リカバー(回復)する。私の絵にとってペイントのレイヤーを重ねるということは同じような役割を担っているのです。
このような用語の意味を考えた時、多重の意味においてカバーすることでリカバーすることもできるのでしょうか。何かの色の毛布を頭からかぶって目をつぶってみたら?
このようなテーマが展示された作品と繋がっていて、作品と向き合う場を作り出せたらと思っています。

本展で中心となるパステル作品は、104GALERIEでは初めてご紹介いたします。フォックスは、ドローイングとペインティングの中間に位置するパステル画は、とても興味をそそられる方法だといいます。また最近では作品を色とりどりにすることを意識し、これまで彼が多く用いてきた、境界ではっきりと区別される色の面や線に加え、色のグラデーションや変化を取り入れようとしています。その色彩や筆使いは、作家自身の新たな一面、フォックス自身の変化を感じ取れるような新鮮な驚きをもたらすものです。本展を是非皆様にご高覧いただけましたら幸いです。

また、10月25日(金)18:00より作家を囲み、オープニングレセプションを開催いたします。どなたでもお越しいただけますので是非お誘いの上お越しください。

OUTLINE

ピウス・フォックス「Cover and Recover」

会期

2024年10月26日(土) – 11月30日(土)

オープニング・レセプション

2024年10月25日(金) 18:00 – 20:00

営業時間

11:00-17:00

休廊日

日曜・火曜・祝日
*11/3~6休廊

会場

104GALERIE
東京都目黒区青葉台1-20-4 FORCEビルB1F

お問い合わせ先

info@104galerie.com

Profile

1983年ベルリン(DE)生まれ。2010年、ベルリン芸術大学修士課程を修了。大学ではフランク・バドゥールやピア・フライス(ゲルハルト・リヒターに師事)らに師事。アルバース財団(US)、Frac Auvergne (FR)、SØR Rusche財団(ドイツ)、フォンデルハイト美術館(ドイツ)、クンストパラスト美術館(ドイツ)などに作品が収蔵されている。