Archive EXHIBITION
Diego Cirulli
The Thickness of Silence
2017.10.7 (Sat) - 12.10 (Sun)
ディエゴ・シルリは今日までアート作品を通じて歴史的、政治的な社会問題に取り組み、なかでも貧富の差や子供、ジェンダーの問題、そして彼の母国の近年の歴史と現在に至る複雑な有り様に焦点を当てて活動を続けてきました。
その傍らで、パリのオペラ座、ミラノのスカラ座とならび、「世界三大劇場」のひとつとして名高いブエノス・アイレスのオペラ劇場「テアトロ・コロン」の舞台美術においてステージ・プロデューサーを務めています。
さらにコンテンポラリー・ダンス・カンパニー「アニマル・ダンサ・テアトロ」では美術アドバイザー、デザイナー、舞台美術プロデューサーとして、また自身のアートワークショップ「Kalos(カロス)」ではディレクター及び美術・美術史のクラスの講師として活動するなど、多方面に渡り表現の場を広げています。
近年では、積極的に展覧会にも参加し、文化的関心の集まる国立の場と言われるブエノスアイレスの文化センターでの個展「21 105~ 記憶空間の意義と再定義」(2012年) をはじめ、個展「Public Education」(Altos de Chavon / ドミニカ共和国・ラ・ロマーナ / 2012年)、インスタレーション「Porosidad」(Contemporary Art Space.EAC./ ウルグアイ・モンテビデオ /2013年)、個展「Hollow」 (BC gallery / ドイツ・ベルリン / 2016年) など、アルゼンチン、ドイツ、フランス、スペインなどで多くの作品を発表してきました。
その活動は高い評価を受け、これまでに、ブエノスアイレスのパルレモ・ビエージョ市金賞 (2011年)、ブエノスアイレスベルグラーノ大学 ペインティング銀賞(2012年)、イタウ銀行選外佳作賞(2014年)など、アルゼンチン、フランスやスペインなどで数々の賞を受賞しています。
日本初個展となる本展では、深淵に潜む断続的な表象を描いたコレクションとなり、キャンバス作品約25点を中心に、ドローイング作品11点、彫刻作品2点、VRを使用する3Dオーディオビジュアルインスタレーションを発表。
本展に向けて約一年掛け制作した多様な作品群を、二会場で一挙に展覧いたします。
演劇の総合演出、ステージデザイナーとして経験を持つシルリの、空間演出やイメージの湧出にも注目していただける内容となる予定です。
10月7日(土) 18:00 より、アーティストを囲みオープニングレセプションを行います。
OUTLINE
展示名 | ディエゴ・シルリ「The Thickness of Silence」 |
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会期 | 2017年10月07日(土)-2017年12月10日(日) |
オープニングレセプション | 2017年10月07日(土) 18:00-21:30 |
営業時間 | 12:00-20:00 |
会場1 | 104GALERIE |
会場2 | 104GALERIE-R |
協力 |
STATEMENT
(深淵を覗き込むとき、深淵もまたこちら側を覗き込んでいるのだ。ーフリードリッヒ・ニーチェ)
今や絵画の前では、恐らく一心に黙し、留まるほかないのだ。
動きのなかに、回転のなかに、漂い混ざりゆくなかに留まり続ける。表象は複数の顔を持ち、その顔たちを見定めようとする間もなく次々に姿を変え、やがてかたちすら消え去り、亀裂のなかから、鼓動する場から、弛緩と収縮を繰り返す身体から我々を見返している。
ー顔のない、主体。
世界を理解する術を放棄し、放浪する流れに身をゆだね、あらゆる物質の攪拌と砕け散った言葉と眼窩をなくした目が生み出す吐き気のなかに、虚空の裂け目になる。
あるいは濃密な深淵をひたすら見つめてはいるものの、それを知覚できるのは指先だけだ。
絵画を前にして残された選択肢は、この現象を受容するほかにない。
その絵にひそむ幾つもの顔たちは創造の空間に宿り、顔たちを凝視するその瞳をじっと見返している。
ここに集められた作品は自己概念が自らを破滅に至らしめる行為を、途切れとぎれの葬送曲のように、死の儀式と出生の剥き出しの身体性にいざなう。
そしてそれは我々が自身をある種の事象として認識する場となる。そこではすべてのものが朽ち果て、すべてが新しいのだ。
Diego Cirulli
PROFILE
ディエゴ・シルリ | Diego Cirulli
1981年、アルゼンチン、リオネグロ州、バリローチェ生まれ。現在はブエノスアイレスを拠点に活動。ペインティングとドローイングを josé Marchi、Villagran Brothersの元で学び、El Calor(The Heat) のアートセミナー、 Diana Aizemberg、Gabriel Baggio のポートフォリオレビューなどに参加。その後、国立美術大学研究所でビジュアルアー ツの学士号を取得し、2006年、ブエノスアイレスに自身のアートワークショップ「Kalos」を立ち上げ、ディレクター・講 師を務める。同時に劇場テアトロ・コロンのメンバーでもあり、コンテンポラリー・ダンス・シアターの「Animales Danza Teatro」のステージデザイナー、アートディレクターとしても活動する。 出版物に『21 105 記憶空間の意義と再定義』がある。
EXHIBITION VIEW
©︎Phillipp Barth